「それはそれ、これはこれ」
複数の問題を一緒にしないで「一つ一つ考える」際に重要なのが、「それはそれ、これはこれ」という考え方です。
一時のいさかいや一部の意見対立があっただけで、その相手のことをすべて否定的に考えてしまうのはよくありません。「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」のように、特定の人のすることや言うことのすべてがイヤだと思ってしまっては、取りつく島もありません。「それはそれとして、これはこれ」と、その時々・その事々で判断したほうがいいのです。
一つの問題があるからといって、やるべきことをやらないのもよくありません。「××だから、○○しない」では、さらに悪い状況にしてしまいます。「それはそれ、これはこれ。やるべきことはやる」というのがいいのです。
「一事が万事」のような考え方も危険です。一つ(一部)のことがダメならすべてダメ、この人を失っては生きていけない、この夢をあきらめたから夢はもうない、これが得られなければ幸せになれない、・・・。一時的な感情としては理解できますが、それを理由に多くをあきらめてしまうのはよくありません。「それはそれでしかたがない。でも他にもある(はず)」です。
「是々否々」という言葉があります。「いいことはいい。悪いことは悪い」とその事々・その時々に判断することです。
たとえば、「私はNoと言えない」と言う人がよくいます。頼まれるとことわれない、ことわったら相手に悪いのではないか、ことわったことが原因で関係が悪くなったらどうしよう、などと考えてしまいます。そんな時に「いつもはいつも。今回は今回」とことわることがあってもいいと思うのです。
「Yesの時には(喜んで)Yesと言い、Noと言うべき時にはNoと言う」ことができたら、と思います。
人はともすると悪いことが一つあると、他のことにまで悪い影響を及ぼしてしまうことがあります。それが問題を増やしたり大きくしたりしてしまう元にもなってしまいます。「それはそれ。これはこれ」と一つ一つ考えるように心がけられたら、と思います。