「問題解決より、苦しまない自分」
悩みや問題があると、そのために苦しみ、生活全体が“くよくよ”としてしまうことがあります。問題を解決するいい方法が見つかればいいのですが、すぐに解決できるようなことなら苦しむような悩みにはなっていません。
「問題が解決しなければ、楽しく生活できない」などと無意識に思い込んで、苦しんでしまっていることはないでしょうか。
問題解決の他に、「(問題で)苦しまない自分になる」というもう一つの方法があります。
生きていく中ではすぐには解決できない問題があります。人生の中では問題が次から次へと起こります。
問題を抱えていても、たいして苦しまずに生活を愉しみながら、上手に考えていくことが望ましいのです。その問題について考えても苦しみさえしなければ、問題としては残りますが、悩みではなくなります。悩み苦しまなくてもよくなるわけです。
悩みや問題を解決できないからとくよくよしてもしかたがありません。その時にできることをすればいいのです。つらい時には少しでもラクに、イヤな気分は少しでも軽く、沈んでいる時には少しでも元気になれるように、落ち込んでる時には少しでも希望が持てるように、ふつうの時には少しでもいい気分に、・・・このような考え方を心がけるのが自分のためなのです。
それができるような自分になることが、その問題に対処する方法であり、今後のすべての問題に対処する際にも役立つ(能力を身につける)方法でもあるのです。
「くよくよしない自分になる」という目標を持ち、努力すればいいのです。たとえば、この本に書いてあるようなくよくよしない考え方を身につけていくことです。そういう目標を持っていれば、生きていく中で起こる問題は「いい経験」、人間関係で問題のある相手は「いい練習相手」のようにも考えられると思います。
問題を解決することが唯一の方法ではなく、「くよくよしない自分になる」という“もう一つの方法”があることを思い出してみてください。
抱えている問題について、いい精神状態で考えられたほうがいい答えも見つけやすいのではないでしょうか。
人生という長い目で見たら、その時の一つの問題解決よりも、「問題に苦しまない自分になる」ことのほうが大きいと思うのです。