「正しさよりも自分の気もちが大切」

 幸せになる考え方として、「まぁいいか」「あとで考えよう」「なるようになる」「そのままでもいいよ」などを紹介しています。これらは“いいかげん”な感じがするかもしれません。

 でも、幸せになる考え方としては正しさよりも自分の気もちを大切にしたほうがいいのです。いくら正しい考え方でも、その時の自分に合った現実的なものでなければ役に立ちません。正しい考え方が、かえって自分を苦しめてしまうこともあるのです。

 自分ではどうしようもないことがあります。自分にはできないこと、変えようのないこと、人のこと、社会のこと・・・。理想としてはできたほうがいい、他の(力のある)人ならできるかもしれないが、今の自分には無理なことを要求しても、ただつらい思いをするだけです。すぐにはできないことを今の自分に求めるのも同様です。そのようなことは、「(すぐには)できなくたっていいじゃないか」「そのままでもいいじゃないか」などと考えてしまったほうがいいのです。

 人には得手不得手があります。苦手な事があり、苦手な人もいます。苦手な事をうまくやることや、苦手な人とうまくつきあうことは、本人には難しく、大変なことです。それを苦労して頑張るのもいいことですが、「これはうまくできなくたっていいじゃないか」「この人とはそれなりにつきあえばいい」「少しくらいイヤな思いをすることがあってもいい。無理をすることはない」などと考えてしまってもいいことがあると思うのです。

 また、一年たったら忘れてしまうような「小さいこと」だったら、どうでもいいのではないでしょうか。それが必ずしも、正しくなくても、立派でなくても、要領が悪くても、矛盾があっても、その場しのぎでも、・・・どうせすぐに忘れてしまうのですから。

 完璧主義の人は少しでも問題があると、理想的な解決を求めてしまいます。すぐに解決できないとイライラしたりくよくよしたりしてしまいます。自分の中で問題化してしまうから、“イライラ”“くよくよ”の悪循環に陥ってしまうのです。「まぁいいか」「このままでいいか」のように問題化しなければ、悪循環に入ることもないのです。

 現実として今の自分には無理な考え方や方法は、いくら正しくても自分を苦しめるだけです。それが簡単にできるくらいなら、くよくよなんかしません。

 今の自分にできる考え方でなければ役には立たないのです。「まぁいいか」「そのままでもいいよ」という簡単な考え方でも、その場で自分ができれば少しはラクになれるのです。“くよくよ”から脱出するきっかけにはなるのです。

 今の自分(の気もち)を大切に、場合によっては“いい加減”な考え方を選択できるようになることも、人間としての成長だと思うのです。



   

幸せになる考え方