「イヤな上司がいる」
自己の成長がカギ
「イヤな上司がいる」と思っている人は、けっこう多いのではないでしょうか。上司と部下の関係では長い時間接しなければならないでしょう。その間、イヤな気もちやつらい思いで過ごすようでは大変です。
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│ 上司が立派な人とは限らない
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イヤな人がいる場合の第一の考え方は、「こんな人もいる」です。
口が悪い人はいるものです。仕事の進み具合やミスにきびしく、その言い方がきつい上司がいます。感情的に怒ったり、イヤミな言い方をしたり、人のあら捜しばかりをしているような人もいます。暴言と思えるようなことを言ったり、セクハラ発言をしたり、差別的なことを言う人も、残念なことに世の中にはけっこういます。
口が悪いのはその人の習性と言えるでしょう。「この人はこういう人」と把握した上で、「こんな人もいる」と考えたほうがいいのではないでしょうか。
性格的に問題があるような人もいます。気分屋だったり、気まぐれだったり、わがままだったり、自分勝手な上司がいます。上の人への態度と下の人への態度が違う人も、不公平だったり依怙贔屓(えこひいき)をする人も実際にいます。
他にもいろんなイヤな上司がいるでしょう。
そういう人に対しては、たとえ上司でも、「こんな人もいる」と考えていいのではないでしょうか。こんな人だとわかれば、「こんな人のためにイヤな気もちになるのは損だ」とも考えられるでしょう。
「この上司がイヤだ」「上司のここが嫌い」などとただ嘆いているのは、「イヤな上司がいなくなってくれたら」「イヤな上司がいい人に変わってくれたら」のような気もちが心の中にあるからではないでしょうか。それを心の中で望んでいるうちは、そうならない現実に苦しむことになってしまうでしょう。
まずは、「こんな人もいる」「こんな人のためにイヤな気もちになるのは損だ」と自分に言い聞かせ、それなりにつきあっていくことを考えたほうがいいのではないでしょうか。
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│ 大人の対応ができるようになるために
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上司がイヤだからと言っても、上司を変えることも、転職することも、そう簡単にはできないでしょう。仕事上、関わらないわけにもいきません。
イヤな上司とは「それなりにつきあおう」と考えてみてはどうでしょうか。
そのためにはまず、ふつうのことをちゃんとやったほうがいいでしょう。
あいさつや謝罪やお礼などの人づきあいにおける基本的なことです。イヤな相手ほど、そういうことをちゃんとしておいたほうがいいでしょう。
また、仕事を一所懸命にやることも大事です。イヤな上司だからと言って、
仕事に支障がでてしまっては、社内での自分の評価が下がってしまいます。
次に、イヤな上司と接する時には、「この人はこういう人」とわかった上で、相手の悪い所はできるだけ受け流し、あまりイヤな気もちにならないように心がけることが肝心です。
そして、イヤな上司と接していない時には、「いっしょにいない時にはイヤな人のことを考えるのはよそう」と、その人のことは考えないように心がけることができたらいいでしょう。
特に職場を離れたら、そんな上司のことは考えないようにして、自分の生活を愉しむことを大切にしたほうがいいのではないでしょうか。
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│ 自分の成長と、時が解決してくれる
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もう一つの考え方は、「今は、力をつけ、時を待とう」です。
自分が(仕事の上でも人間的にも)力をつけることで、イヤな上司でも苦にせずに対応できるようになれたらいいでしょう。
そのためには、イヤな上司は「いい練習相手」と考えてみてはどうでしょうか。
また、時がたてば、「慣れる」ということもあります。
何かのきっかけで相手との関係が良く可能性もあります。
そのうちに人事異動などの状況の変化で、上司が替わることも考えられます。
仕事の実力をつけてからなら、その職場をやめても、ステップアップできるしょう。
「今は、力をつけ、時を待とう」と考えることができれば、イヤな上司でも多少のことは我慢できるのではないでしょうか。